4.激減した体重

思えば受験に失敗し、卒業式を迎える少し前くらいの頃だっただろうか。

特別にダイエットなどしていないのに、2~3キロ体重が減った。


それまでは子どもの頃は中肉中背、思春期はちょっとぽっちゃりめだけれど標準体重。

決して肥満ではなかったが、思春期特有の痩せたい願望はもちろんあり、ダイエットも何度か試みたことがあった。

が、一度も成功したことがなかった。

悲しいかな、我ながら根性なしなのだ。

それが何の努力もなしに、体重が減ったのだ。


この異変は母にも伝えたのだが、実は母もちょうど二十歳前後、何もしていないのに数キロ体重が落ちたらしかった。

なのでこれは遺伝?とも思った。


ところがその後、けっこうなピッチで体重が減り始めた。

それもS大学に入ってちょうどいろんなことが馴染んで来た5~6月の頃、拍車がかかったように減り始めたのだ。

何だか異常に喉が渇き始め、真夏でもないのに水分を摂っても摂っても果てしなく喉が渇く。

何杯飲んでも底なしの胃袋を通過して、やたらトイレも近くなった。


この状態、どう考えても変!

と思っていたところ、中高時代仲の良かった友だちKから

「うちのおばちゃん糖尿病なんじゃけど、症状が似とるよ。

○○(私)はまだ若いけど、一度病院に行ってみた方が良いんじゃない?」

と、言われた。


そこで当時、たまたまホルモンバランスが悪くて通院していた産婦人科の先生にこの症状を伝えてみた。

するとその当日、即その先生から、市内で糖尿病の大家と言われるK手内科を紹介された。


あの日まだ自分が、まさか一生治らない病気になるとは思ってもみなかった。

まだ19歳で、糖尿病という病名自体も耳にしたこともなく、その糖尿病の中に1型という種類があることすら知らなかったのだから。

日日是好日

1987年から平成までの、1型糖尿病と共に過ごした日々を綴ります。 今日一日がたとえどんな日であっても、ベストを尽くせばすべて好し。 これからも、そんな気持ちで日々を過ごして行きたいな。 2019年4月4日~