20.就職活動
私が就職活動をしていた頃は、まさにバブル全盛期だった。
振り向けば女子も男子も肩パット入りのスーツを着て、次から次へと会社説明会や面接へ臨んで行った。
↑画像はお借りしましたが、この女性の肩パットは私の記憶の中でも最大。
時代が時代だったので内定もたくさん出て、早めに就職先が決まった人たちは、残りの学生生活をこれでもかと言わんばかり楽しんでいた。
私はと言うと、就職先に希望し選んだ業種は、デパートやメーカーなどの小売業。
先のアルバイトの経験から、本来は堅実な職業を選ぶべきだと分かっていながらも、自分の性格からしてどうしてもそうすることに違和感を感じていた。
また自分には、実は持病を発症する前から、ずっとやりたいことがあった。
それはまず、とにかく家を出ること。
そして、高校時代からの夢、東京のお芝居をたくさん観たいということだった。
そのためには、自ずと生活していく場所を東京方面へ移さなければならず、そこで仕事を探さなければならなかった。
たとえ1型糖尿病を発症したとしても、またコントロールも決して良くはなかったのに(と言うより今振り返ってみると、命知らずの極悪数値)、それでもその夢はまだ諦め切れずにいた。
なので就職活動も、地元と東京で行った。
さて、その就職活動。
その活動先がどこであれ、私には常にその就職希望先で面接のとき、言うべきか言わざるべきか迷うことがあった。
それはパッと見、一般の人たちと何の変わりもなく見えるけれど、実は自分は1型糖尿病であると言うことだった。
・普段はインスリン注射をしていること。
・食事はカロリー制限(当時はカーボカウントなどはなく、特別な時以外は食事の増減は禁止だった)をしていること。
・食事時間が大幅に遅れると、インスリンの副作用=低血糖症状を起こすこと。
・その低血糖のときの処置のこと。
…など。
これらのどれかを選ぶか掻い摘んで伝えるか、それともすべて細かく伝えるか、または全く伝えないか。
アルバイトの経験上、机上の仕事だったらざっくり伝えるだけで良さそう。
でも接客業だったら、ある程度伝えないと周囲に迷惑をかけてしまいそうなので言わなければ、と思ったり。
と、そう迷いつつも、結局ほとんどの会社では、自分の病気のことは言わずに面接を受けた。
言ったところで、たぶん落とされるときは落とされると思ったからだ。…嗚呼、浅はか。
結果は、内定を頂けたり駄目だったりいろいろだった。
その中で、何故だか何となく第一希望の会社にだけ(それは東京の中小企業だったのだけれど)、自分の病気のことを、詳しく面接のときに話した。
すると、どうしたことか内定を頂けた。
ハンディキャップがあっても受け入れて頂けたことが本当に嬉しかったこと、今でもはっきり覚えている。
そしてその後私は、その東京の会社に就職することを決心した。
聴くと自ずと血湧き肉躍る、バブル時代の音楽♪
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